春彼岸に入り妻の実家へ久しぶりに仏壇に供える花を買って行った。
菊のような仏花ではなくチューリップやスイートピーなどの春らしい色の花を選ぶ。
あんこが大好きな義母のお茶うけ用に倉敷名物"藤戸饅頭"を本店で買う。
きっと花よりも義母に和菓子を持って行くことのほうが妻は喜んでいるはず。
2年前の今頃、鹿児島まで妻の世話と看病に来てくれていた義母に大福を
買って帰った次の日、美味しそうに食べる母を見てそれがよっぽど嬉しかったのか
妻から出張先でのメールに「大福ありがとう!!」とあった。
花は義母が剪定し備前焼の花入れに挿してくれた。
異彩を放ち合い仏間が華やかに。饅頭も早速3つ取り分けて供えていた。
いつものように義母がもてなしてくれる。
昼は大盛焼きそばとサラダ、夕方には山菜おこわと味噌汁。
案の定の"満腹警報"発令。この確度は天気予報とは比にならないくらい百発百中...。
「〇〇さん、しっかり食べて、おかわりせられえよぉ。」
(【せられえよ】は岡山弁で【しなさいよ】の意)
普段は自分は一日一食で暮らしているのに、結局、この日は焼きそば3皿分と
おこわも3杯食べる。サラダも味噌汁ももれなくおかわりした。
途中にはコーヒータイム。りんごや菓子類、藤戸饅頭もいただく。
ちょうど妻が可愛がっていた姪の小学校の卒業式だったので
義妹から義母あてにLINEで来た動画を一緒に視る。
こうして生者にとってだけ少しずつ時は過ぎて行くんだなぁ。
なるほど、"死者老いず 生者老いゆく恨みかな"
という菊池寛の句は確かに言い当てている。
さて、6月の命日へ向けてもうそろそろ3回忌法要の日取りを決めないと。
そして妻を喜ばすためにも義母への次なる「差入れ」を考えておこう。