夢で妻に触れた。
横になり痛みを静かにこらえていたので
すかさず右のこめかみに指をあてマッサージする。
生前と同じ。確かに触れている感触があった。
夢から覚めると撫でていたのは布団の端。
寝ぼけまなこでしばらくそのまま撫で続けようとしていた。
最近「空(くう)」と「無」について考えることがある。
「無」は文字通り0(ゼロ)だけど「空」はそうじゃない。
もちろんどちらも実態がないことには変わりないが
「空」は"空がある"と、想えるようになった。
スピリチュアルや深淵な仏教の解釈を特段勉強した訳じゃない。
ただの肌感覚。
こっちはもう移ろい消えたのだと諦める覚悟をしているのに
まるでずっととどまってくれているような。
色即是空 空即是色
いるけどいない いないけどいる
「空」の多い人生は安寧やぬくもりが付いてまわる気がする。
「無」ばかりの人生とはたぶん全く違う。
そう思索してみてふと気づいた。
『空海』ってスゴイ名前だと。