桜の蕾は、もう夏には形づくられ次の春を待つらしい。
そして冬の寒さや凍てつく風雪に耐えたものこそが美しく花開く。
"休眠打破"と言う通り、
しっかりと咲くためには「寒さが必要」で、なまじっか暖冬だと
タイミングが狂ったりして上手く花が開かないと言う。
花見などで満開の状態を愛でることだけに慣れてしまうと
つい忘れてしまいがちだが、桜吹雪となり散り果てるまでの
ストーリーがあるのだ。
「今ある結果だけが全てではない」と思わせてくれる。
"悲しみ"、"辛さ"、"タフな時間"、"ピンチ"などが
「成長の糧」になることも教えてくれる。
その蕾のストーリーを知っているかどうかで
同じ桜を見ても「いとをかし」と感じる度合は変わってくる。
人生は予期せぬことの連続で一寸先も読めないことがある。
ましてや最後にどういう着地点に立つかなんて判然としない。
どちらかと言えば、想い望んだ通りには行かないのが常だ。
だからやっぱり「ストーリーあってこその人生」だと思える。
この冬最強の寒波が到来し、雪国のみならず九州でも積雪に。
ここ「晴れの国」にも小雪が木枯らしに舞っている。
コロナ感染者数が今日また最多を更新したとTVニュースが繰り返す。
一都三県で2度目の緊急事態宣言。関西も追随する動き。
人間界はめっきり冷え込んでいる。
桜の蕾は今日もまた、ただ静かに春の陽射しを待っている。